嘘も方便

方便とは、仏教で衆生を真の教えに導く為に用いる仮の手段をいう。
そこで、嘘をつく事も時によっては必要な事があるの意。

海の中に公衆便所ができた、という話はまだ聞かない。海中公園はあるが海中便所はないというのが現状だ。したがって潜りながらやるしかないが、オシッコならダイビングをやっている殆どの人が経験あるといってもいい。また、小便は温かいから、水温が低い時にやると身体が暖まるし、その気になれば「小出し」にして寒くなれば暖まる事も出来るという、なかなかありがたい ものである(女性には無理だけど）。しかし、海の中で大便をしようと思えば、かなりのハイテクニックが要求される。まず踏ん張るのに適した岩を見つけ、ウエイトをはずして身体を固定。それから装備を一つ一つ脱いでいかなければならない。もちろんバディには事前に『向こうに行ってろ』とサインを送る事も忘れてはならない。事を終えるまでの時間はベテランですら十五分位かかる大変な作業だから、落ち着いてこれができるようになれば、ある意味では一人前のダイバーと呼べるかもしれない。でも楽しいダイビングのひととき。海の楽園の中で過ごす限られた時間を、パートナーの大便のためにじっと待たされるダイバーはたまったものではない。大は陸上で御願いしたいものだ。

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